決算特別委員会
生活保護、児童虐待対策について
◆小林ゆみ 委員 生活保護、児童虐待対策についてです。使用する資料はNo.122、区政経営報告書、杉並区保健福祉事業概要、杉並区子ども家庭支援センターが発行する児童虐待対策に関するパンフレットとシールです。
委員長、こちらの資料、掲げてもよろしいでしょうか。
○北明範 委員長 許可いたします。
◆小林ゆみ 委員 まず、生活保護についてです。
平成25年度の生活保護の不正受給件数は国全体で4万3,230件に上り、過去最悪を更新しました。生活保護は、国と国民にとって大変重要な制度であると認識しており、この制度をしっかりと今後も残していくためにも、この制度が信頼に応えられるよう、不正受給などのあしきものは根絶していくべきです。
こういった視点から、平成26年7月1日には生活保護法の一部を改正する法律が施行され、不正、不適正受給対策が強化されましたが、平成26年度の杉並区における不正受給件数と額についてお尋ねいたします。
◎高井戸事務所担当課長 不正受給についてのお尋ねでございますが、生活保護法第78条の適用件数に当たるかと思われます。26年度については114件、金額につきましては8,715万5,542円となっております。
◆小林ゆみ 委員 その件数と額は、前年度と比較するとどのようになっているのでしょうか。
◎高井戸事務所担当課長 25年度の件数でございますけれども、104件、金額にして1億157万2,455円になっております。10件の増、金額につきましては1,441万6,913円の減となっております。
◆小林ゆみ 委員 そうしますと、1人の人に当たる不正受給の額が、どのようになったというふうに考えているのでしょうか。
◎高井戸事務所担当課長 1人当たりの不正受給の金額というのはさまざまでございまして、先ほどお示しいたしました25年度と26年度の比較で申しますと、25年度から26年度については、件数については増えているのでございますけれども、金額自体は減っているというようなことが起こっております。25年度に大口の不正があったというふうなことになっております。
◆小林ゆみ 委員 件数が増えているということは、法改正によって福祉事務所の調査権限が広がったということから来るものなんでしょうか。
◎高井戸事務所担当課長 法改正でございますけれども、調査権限が広がったということで以前よりも円滑な調査が可能になりまして、不正受給の発見につながっていると認識してございます。
◆小林ゆみ 委員 また、不正受給に係る徴収金について、100分の40を乗じた金額を上乗せすることも可能となりましたが、この実績はどうでしょうか。
◎高井戸事務所担当課長 100分の40を乗じた金額の上乗せですけれども、こちらは不正受給の懲罰的なものになっておりまして、悪質かつ巧妙であったりですとか、長期の不正受給が続いたでありますとか、繰り返し不正を行ったということに対する徴収金になっております。26年度については、こちらの徴収金の実績はございません。
◆小林ゆみ 委員 また、不正受給に係る返還金について、平成26年度、ワーカーなどが保護費との相殺を求めた数と、そのうち不正受給者が同意に応じた数と返還金額をお示しください。
◎高井戸事務所担当課長 弁償金等返還金が発生した場合については、保護費との相殺の制度について、返還金が発生した方について個々に説明を行っております。ただ、そのとき、分割納付等の申し出がありました場合については、相殺を求めるということはございません。本人の同意があった場合に保護費との相殺可能となっておりますので、26年度で申し上げますと、約20件ほどのケースに相殺を求め、そのうち半分の10件ほどが相殺に応じております。
◆小林ゆみ 委員 半分ということなので、20件ありましたら20件というふうに目標を設定していただきたいと強く要望します。
扶養義務者に関する規定についても法改正により変わりましたけれども、杉並区では、扶養義務者への扶養照会状況はどのようになっているのでしょうか。
◎高井戸事務所担当課長 扶養照会につきましては、保護の申請時に、保護を受ける方からの申告でありますとか、それから戸籍謄本等の照会をさせていただきまして、まず扶養義務者の存否を確認しております。その結果、扶養の履行が期待できる親族がいらっしゃるということであれば、その親族の方に文書によって、金銭的援助ができるかどうかということで照会を行ってございます。
◆小林ゆみ 委員 自立支援に関してお伺いしますが、区政経営報告書111ページによりますと、就労支援プログラムにより保護廃止または収入増となった人数が前年度とほぼ同様で、効果を上げているというふうに記載がありますが、杉並区による就労支援に関しては、先ほどの法改正が影響していないと見てよろしいのでしょうか。
◎高井戸事務所担当課長 就労支援に関しましては、就労支援員などを配置しまして強化しているところでございますけれども、法改正によって就労自立給付金の新設などがありましたが、まだ制度が始まったばかりでございますので、今後法改正の効果が徐々にあらわれてくると考えております。
◆小林ゆみ 委員 ぜひ期待しております。
また、資料122番、いただいたものによりますと、区内の在住外国人は、当該年度は中国人が最も多く3,621人、続いて2位が韓国または朝鮮で2,546人、3位はネパール974人、4位台湾669人、5位ベトナム640人となっています。これに対して外国人の生活保護受給者は、国別で見ると、多い順から5位までだとどのようになっているのでしょうか。
◎高井戸事務所担当課長 26年度の調査のデータからお答えさせていただきますけれども、杉並区においては1位が韓国・朝鮮、2位がフィリピン、3位が中国、4位のブラジルと5位のアメリカはほぼ同数というふうになっております。
◆小林ゆみ 委員 では、続いて次の項目に移りますが、児童虐待対策についてです。
平成22年8月に、杉並区の成田東の民家で3歳の女児が虐待死するという痛ましい事件があり、その後、杉並区による児童虐待対策にさらに力が入ったのではないかと思いますが、このような最悪のケースに至る前に児童虐待の芽を摘むことが自治体の課題だと捉えております。
全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数が、平成25年度は7万3,765件と過去最多を記録してしまったことからも、対策が強化されることは急務です。また、虐待を受けた経験を持つ方々は、家庭というものにネガティブなイメージを持っており、さらに周囲からも、もし子どもを持ったら同じことを子どもにするんじゃないかなどと言われることによって、自分の将来の子育てに自信を持てなく、子どもを持ちたくないと考える人も多いと言われており、少子化問題が叫ばれる昨今において、児童虐待対策は少子化問題解決にも大いに関連性があると感じております。
そこで質問ですが、子育てや虐待に関する電話相談窓口としてゆうラインがあると思いますが、子育てする親からではなく、子どもからの虐待に関する相談は、全体の大体どのぐらいを占めているのでしょうか。
◎子ども家庭支援担当課長 ゆうラインでの虐待の相談の割合でしょうか。
◆小林ゆみ 委員 子どもからの相談です。
◎子ども家庭支援担当課長 申しわけございません、ちょっと今、数を把握しておりません。後ほどお答えいたします。
◆小林ゆみ 委員 後ほどお願いいたします。
また、虐待の被害者である子どもが気軽に電話をできるようにさらに工夫が必要だと考えますけれども、ゆうラインのシールは、子どもたちにどのように配布をしているのでしょうか。
◎子ども家庭支援担当課長 ゆうラインのシールにつきましては、小学校、中学校、それから区内の高等学校に直接全児童に配布しているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 杉並区保健福祉事業概要によると、子育て支援課による取り組みが多くなされており、大変すばらしいことだと感じますけれども、内容を見ると、子育て相談サロンや子育て講座など、親向けのものが多い印象です。子どもたちが出しているSOSのサインに応えるもののさらなる充実を期待しますが、区の見解はいかがでしょうか。
◎子ども家庭支援担当課長 まず、就学前の児童とか小学生の特に小さい子などにつきましては、自分でSOSを出すというよりも、親だけではなくて関係機関、例えば保育園ですとか小学校ですとか、そこのかかわっている大人といいますか、そういうところが気づいていくということが重要かと思っております。なので、まずそこのところを、関係機関の方と連携をとりながらやっていきたいと思います。さらに、大きくなったお子さんについては自分でSOSを発することができますので、先ほどのゆうラインのカードですとかそういうところで周知を行いまして、何かあったら気軽に相談していただけるように、そのように考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 お願いいたします。
また、高齢者や障害者の虐待のうちの1つとして経済的虐待というものがありますけれども、児童虐待の分野では、進学や子どもの成長のために使われるはずであった資金を使い込むということも虐待に当たると考えられますが、こちらの、「ひとりで抱え込まないで」というパンフレットの中には、経済的虐待に関しての記載がないのですけれども、経済的虐待に苦しむ子どもたちのためにも、こちらのパンフレットに含めたり、あとは、杉並区による児童虐待の定義の中に、今後経済的虐待を含める必要性が感じられますが、可能性はありますでしょうか。
◎子ども家庭支援担当課長 経済的という記載はございませんが、このパンフレットの中にネグレクト、養育保護義務の拒否というところで、衣食住の世話をしないとか病院へ連れていかないとか、そういう広い意味での経済的な虐待というのでしょうか、そういうものを記載しているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 また、こちらのパンフレットは、大変見やすいイラストとわかりやすい文章で内容的にすばらしいものでありますが、漢字に振り仮名がなく、保護者向けに配布するものだという印象を受けますが、今後子ども向けのパンフレットを新しくつくることを検討されてはいかがでしょうか。
◎子ども家庭支援担当課長 先ほどもご答弁させていただきましたが、子どもが発するSOSについて、関係している機関などの大人、職員などがまず気づく、そういうようなところから、まずは、虐待というものがあればそういう関係機関の人にすぐに通報する、そのような体制といいますか、そういう啓発活動を行っていきたいと考えております。
それと、先ほどのゆうラインカードなどで、ある程度SOSを発することのできるお子さんにつきましては、そういうカードなどで啓発活動をしていけるようにしていきたいと思っております。
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