決算特別委員会
補習授業支援、部活動について
◆小林ゆみ 委員 補習授業支援、部活動について伺います。使用する資料は、区政経営報告書、いただいた資料ナンバー425、休日パワーアップ教室参加のしおり、また平成29年度杉並区事務事業評価表です。
まず、補習授業支援について伺います。
杉並区は、夏休み期間中に夏季パワーアップ教室、秋と冬にかけては休日パワーアップ教室という形で補習授業支援を行っています。まず、この支援の目的を伺います。
◎済美教育センター所長 補習授業につきましては、子供たちに確かな学力を定着させる、それから子供たちのより一層学びたい意欲に応えるというところで事業を実施しております。
◆小林ゆみ 委員 夏季パワーアップ教室の授業を担当する講師は、学校の教員、また外部人材、ボランティアで構成されていると聞いていますが、それぞれの人数比はどうなっていますか。
◎済美教育センター所長 人数比につきましては、学校ごとに異なるもので、比率のデータは持ち合わせておりませんが、中学校の夏季パワーアップ教室については、外部人材の派遣については、平成28年度、全体で民間人講師が期間中に70人、ボランティアが39人の派遣実績がございます。
◆小林ゆみ 委員 結構ボランティアさんも多いということで、ボランティアさんの募集方法と、どのような方が活動していただいているのか、お尋ねします。
◎済美教育センター所長 ボランティアにつきましては、学校ごとに派遣希望を済美教育センターで取りまとめまして、委託業者のほうに依頼しております。学校によっては、学校支援本部と連携して、地域人材、また学生ボランティアの人材を確保する、そういったケースもございます。
◆小林ゆみ 委員 ナンバー425の資料を見ると、平成28年度の中学校夏季パワーアップ教室の謝礼金が43万1,500円となっています。この謝礼金の内訳を伺います。
◎済美教育センター所長 ボランティア謝礼が24万7,500円、講師派遣の謝礼が18万4,000円となってございます。
◆小林ゆみ 委員 ちなみに、これ、時給とかでわかりますでしょうか。
◎済美教育センター所長 ボランティアにつきましては、1こま1,100円、それから講師につきましては、1こま4,000円となってございます。
◆小林ゆみ 委員 ちょっと高目かなと思ったんですが。
また、夏季パワーアップ教室の一般需用費、つまり教材購入費が204万7,380円と資料425番に記載がありますが、この教材は市販のものでしょうか。もしそうであるならば、どのような基準で選んでいるのか伺います。
◎済美教育センター所長 教材につきましては、委託した業者が教材を作成しています。教材については、教科ごとに基礎コース、発展コースを設定していますので、生徒の学習の状況に応じているかというところで済美教育センターのほうで選定して、できるだけ安価なものを提供するようにしています。
◆小林ゆみ 委員 夏季パワーアップ教室の指導について、授業学研究所という事業者に519万2,600円で委託していますが、その事業者の選定方法を伺います。
◎済美教育センター所長 この業者につきましては、パワーアップ教室の前身である合同学習会のときから委託している業者ですが、休日パワーアップ教室のところでプロポーザルで委託をして、その後、実績を見て、業者指定ということで委託しております。
◆小林ゆみ 委員 結構歴史があるということで。
夏季、休日パワーアップ教室の28年度の申込者数と、生徒全体に対する申込者数の割合は大体どの程度でしょうか。
◎済美教育センター所長 申しわけありません、これも学校ごとにデータが違いまして持ち合わせておりませんが、休日パワーアップ教室につきましては、応募総数が150名、全生徒数の約7%となってございます。
◆小林ゆみ 委員 生徒のパワーアップ教室への実際の参加率はどの程度でしょうか。
◎済美教育センター所長 1回平均約100名の参加者がございます。平均出席率は66%となってございます。
◆小林ゆみ 委員 結構欠席が多いということなので、ぜひ対策をお願いしたいと思います。
ちなみに、平成29年度杉並区事務事業評価表を見ると、中学生夏季パワーアップ教室の参加者数が、平成28年度の目標値が9,571名であったのに対し、6,419名が実際の数値となっていますが、その前の年度である平成27年度も見てみますと、ほぼ同じ数値となっています。ここ数年、目標を達成できていないという理由をどのように分析していますでしょうか。
◎済美教育センター所長 夏季パワーアップ教室については、保護者や子供たちに授業についての周知が図られて、充実してきているところですが、夏休みということで、夏季パワーアップ以外の生徒の活動といったことも影響しているかなというふうに考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 休日パワーアップ教室参加のしおりを見ると、休日パワーアップ教室の開催期間が、今年度だと9月3日から来年の1月14日にかけての全14日間ですので、28年度の経費を開催日数で割ると、1日約27万9,000円であり、申込者数で割ると、先ほど150名とあったので、1人当たり大体2万円ちょっとになると思います。仮に事業者を通さず直接個人に依頼すると、さらに経費が削減されると思いますが、見解はいかがでしょうか。
◎済美教育センター所長 外部講師の確保というところと、質の確保というところで、なかなか個別にというのは難しいところがございます。そういった点では事業者委託ということで、安定的に学校に講師を派遣し、円滑にこの事業が実施できるようにしているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 また、パワーアップ教室を春休みに現在実施していない理由と、今後春休みに実施する予定があるか伺います。
◎済美教育センター所長 春休みというのが学校でも年度がわりということで、学級編制がえですとか、校内でのいろいろな組織体制の改定とかありますので、春休みはちょっとばたばたするということもございますので、今のところ、実施は考えてございません。
◆小林ゆみ 委員 春休みに塾の講習に応募する生徒さんって、私の塾講師時代、結構多かったので、需要はあると思いますので、ぜひ検討していただければと思います。
また、家庭の負担額についてですが、夏季パワーアップ教室は無料ですが、休日パワーアップ教室は基本的に教材費のみ負担となっています。夏季パワーアップ教室のほうは教材は使わないのか伺います。
◎済美教育センター所長 夏季パワーアップ教室については、各学校でプリント、ドリル、ワークを用意して、教材として活用していますが、中学校については、委託した業者からテキストを配付して、あわせて活用するということにしてございます。
◆小林ゆみ 委員 では、お安く済んでいるということですね。
先ほどの資料を見ますと、休日パワーアップ教室のみ、賞状や文具の購入費などに11万9,597円が支出されていますが、なぜ夏季パワーアップ教室のほうには計上されていないものが休日パワーアップ教室のほうには入っているのでしょうか。
◎済美教育センター所長 夏季パワーアップ教室については、主に学校が主体となって実施するというところで、そこで済美教育センターが講師派遣を支援する。休日パワーアップ教室につきましては、教育委員会主催というふうになってございますので。夏季パワーアップ教室については、各学校で実施しておりますので、そういったものがございません。
◆小林ゆみ 委員 先日、ほかの委員からの質疑において、参加生徒たちからアンケート形式で授業に対する感想を聞いて、約8割が肯定的な意見であるということがわかりましたが、逆に2割の肯定的でない意見をいただいていることになります。そういった否定的な意見にはどのようなものが含まれているのか伺います。
◎済美教育センター所長 生徒へのアンケート、自由記述で見ていますけれども、よく見ますと、もっと回数をふやしてほしいとか、もっと時間をふやしてほしいというような要望があったところでございます。
◆小林ゆみ 委員 そういうふうに生徒さんもおっしゃっているのであれば、ぜひふやしてほしいと思っているんですが、そういった否定的なというか、肯定的でない意見を受け取った場合は、区はどういった対処をするんでしょうか。
◎済美教育センター所長 実施回数ですとかそういうものにつきましては、また予算も絡んできますので、次年度に向けて参考にしていこうと思っています。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いしたいと思います。
また、今般の議会で、生活保護世帯に塾代や大学受験料を助成するための補助金を計上した補正予算(第3号)についての議案第74号が議決されました。今回は全額都の持ち出しということもあり、我が会派も賛成いたしましたが、杉並区は平成25年度から生活保護世帯の塾代助成も行っていることから、今後このような助成が拡大し過ぎることを懸念します。
その一方で、区の夏季、休日パワーアップ教室は、世帯の所得関係なく受講可能であるため、本当の意味で平等な施策だと感じています。生活保護にかからない貧困世帯の子供が無料や低い金額で講習会に参加できる機会は、今後もっと広がる必要があると感じますが、区は、パワーアップ教室のような学習の機会を今後拡大する予定はありますでしょうか。
◎済美教育センター所長 この事業につきましては、各学校の指導体制が確立されたり、子供、保護者へ周知されたりする中で、子供たちの確かな学力の定着、それからより一層学びたい意欲に応えている、そういった事業になってきたと思います。今後につきましては、次年度以降予定している総合計画、実行計画の改定を図る中で、総合的な視点で考えてまいりたいと思っております。
◆小林ゆみ 委員 先ほどの質疑で確認したように、休日パワーアップ教室受講者1人当たりの経費が大体2万円程度だったということからも、低い経費で高い学習効果を生み出すということは可能であると考えられます。そのため、区の塾代助成上乗せは慎重に検討すべきであると指摘し、次の質問に移ります。
次に、部活動について伺います。
先日、ある区立中学校を訪問した際、生徒12名とお話をする機会があり、生徒たちの日常生活について話していると、授業や部活動に不満を持っている生徒がいるということがわかりました。生徒たちから、授業について、数学の授業がわかりやすいといった肯定的な意見も聞きましたが、一方で、授業中うるさくて集中できないということや、英語の先生の発音がよくないなど、さまざまな意見を聞きました。授業についてはもう少し調査をしたいと思いますので、ひとまず今回は部活動について伺ってまいります。
区政経営報告書515ページを見ると、外部指導員と活性化事業のコーチに関しての決算数値が4,876万1,000円となっていますが、内訳と活用状況をお示しください。
◎学校支援課長 内訳でございますけれども、まず、外部指導員の謝礼、これは費用弁償なんですけれども、1,800万円余、それから大会参加費及び部活動活性化事業の外部委託費用が3,000万円余で、合わせて4,800万円余でございます。
また、各校の活用状況でございますけれども、外部指導員は、23校全体で活用しております。それから活性化事業の専門コーチにつきましては、17校で34部活、こういった活用状況でございます。
◆小林ゆみ 委員 今、活性化事業に関しては23校中17校ということがありましたが、この事業を実施していない学校があるようですが、この理由を伺います。
◎学校支援課長 指導力のある顧問教員、こういった場合には、外部指導員の補助等で円滑な部活動を実施しているケースがございます。今後も学校のニーズに応じて活性化事業を効果的に活用してまいる、こういった考えでございます。
◆小林ゆみ 委員 活性化事業の専門コーチについて、その配置基準と勤務実態を伺います。
◎学校支援課長 活性化事業につきましては、各校の手挙げ方式で活用ニーズを確認して、調整の上、各校に配置をしてございます。
勤務実態につきましては、現場で、指導時間は平日が大体2時間、休日は3時間、こういったところが基本的な実態となっております。
◆小林ゆみ 委員 先日、中学校を訪問した際に、ある生徒から、管理顧問の先生と、外部指導員を含むコーチ等外部人材の方とで指導方針や指導能力が異なっている、それで困っているということを聞きました。そういった部分の調整はどのようにしているのか伺います。
◎学校支援課長 活性化事業の専門コーチにつきましては、学期に1回以上、年3回以上、顧問教員との打ち合わせを行っております。こういった中で、日程調整とか活動方針の調整を図っているところでございます。また、必要に応じて、学校支援課の部活動を担当する専門非常勤職員を派遣して、指導内容にかかわる指導とか調整とか、こういったことを行っている状況でございます。
◆小林ゆみ 委員 また、先ほど、活性化事業の専門コーチが平日は2時間程度だということ、勤務時間のことが言及されていましたが、ある生徒は、年度初めの1度しか顧問の先生が来ておらず、ふだんは3年生の部長が仕切っていて、学校の敷地外に部員で出かけるというときも顧問が不在であると言っていました。
先日、他の委員からの質問に対する質疑で、学校外に出るときには顧問が帯同するのが基本と区はおっしゃっていましたが、実際は、そもそもコーチが不足しており、そのような原則が守られていない状況です。子供たちの安全のためにも、今後、部活動の現場にさらに外部人材をふやすなどしたほうがよいと思いますが、その予定はありますか。
◎学校支援課長 活性化事業の専門コーチにつきましては、実行計画に沿って拡充をして、今後も充実を図ってまいる、こういった考えでございます。
また、外部指導員につきましては、学校と調整、よく実態も把握して、必要な配置を図っていく、こういった考えでございます。
◆小林ゆみ 委員 ぜひ生徒さんの安全のためにもお願いしたいと思います。
最後に、区立中学校の生徒たちから、部活の指導に熱心な顧問の先生もいれば、そうではない先生もいると聞きました。ある生徒さんによると、その生徒の部活の顧問は小さな子供がいるため、授業が終わるとすぐに帰宅してしまうと言っていました。教員のワーク・ライフ・バランスについて区はどのような見解をお持ちか伺って、質問を終わります。
◎教育企画担当部長 今、部活についてのお尋ねですが、部活動は、中学生にとって非常に楽しみでもあり、充実した活動をするのに子供たちが非常に期待を持っている取り組みでございます。しかしながら、教員もそういった子供たちの夢に可能な限り、できるだけ応えようとしていますが、例えば専門性が合致していないとか、あるいは運動に特にこれまで取り組んでいないので運動部はなかなか持てないとかという、そうした大きな課題もあります。また、今御指摘のように、ワーク・ライフ・バランス、いわゆる勤務時間との関係も今大きな課題となっているところでございます。 ですから、本区においては、部活動の活性化事業を通して専門のコーチを充てることによって、部活の技術、知識等の専門を持った者、そうしたものを科学的に指導できるコーチを雇いながら、子供たちの夢を限りなく実現していく、そういう取り組みをしております。教員も当然ながら、いろいろな自分の人生設計の中で、例えば早く帰らなければならなかったり、そういうことはあります。ですから、そういったところをうまく調整しながら、子供たちの夢が実現できるようなシステムをつくってまいりたいと考えております。
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